旅に学ぶ

先祖への感謝、故人へ思いを馳せる旅|日本三大霊場の一つ恐山

青森県下北半島にある恐山は日本三大霊場の一つとして知られています。

宇曽利山湖の湖畔にある恐山菩提寺は日本三大霊場の一つであり、9世紀頃に天台宗の慈覚大師円仁が開基した。本尊は延命地蔵尊。同寺は現在は曹洞宗の寺院であり、本坊はむつ市田名部にある円通寺である。恐山は死者の集まる山とされ、7月の恐山大祭では、恐山菩提寺の境内でイタコの口寄せも行われる

wikipedia – 恐山

昔から訪れてみたいと思いながら恐さが先立っていました。
しかしながら実際に訪れてみるとイメージと全く違った場所でした。

訪れて目にした光景は硫黄の匂いと草木を絶やす火山ガスの影響でまさにあの世とこの世を繋ぐのにふさわしい浮世離れしたものでした。平安時代に慈覚大師はよくこんな場所を見つけたものだと感心するばかりです。

亡くなった方の霊は山に帰るというのは日本各地に伝わる民間信仰に共通した要素ですが、まさに恐山はそれを体感させてくれる場所でした。不思議な光景の中を歩きながら故人に思いを馳せるとなぜか心が落ち着きます。

同時に賽の河原でクルクル回る風車を目にすると幼くして断たれた命や誕生する事もなく世を去った魂の存在に何ともやるせない悲しい気持ちになります。同時に元気に過ごせる事のありがたさが改めて身に染みました。

イタコの口寄せの場面も少し見せて頂く機会もありました。ご先祖が繋いで下さった命を大切に、そして自分の子供達を大切に、と改めて考えるきっかけとなった参拝でした。

関連記事

  1. 旅人の体験をデザインする。 – 柳田國男「旅人の爲に…
  2. 旅人の体験をデザインする。 – 柳田國男「旅人の爲に…

おすすめ記事

日本神話の世界|黄泉平坂 〜あの世への入り口!?〜

墓石のルーツ!? 黄泉平坂とは?島根県の東に黄泉比良坂(よもつひらさか)と呼ばれる場所が…

湯治の旅へ出よう。源泉掛け流しのススメ

江戸時代は自由な移動が制限される中、「湯治」を目的とした移動であれば通行手形が出やすかったといわれ…

1日2往復。国鉄特急色の381系やくもが復活

40年にわたり特急やくも号として伯備線を走り続けた国鉄型特急381系も引退が近づいてきました。20…

神話を辿る旅|美保神社

島根県松江市の美保神社は事代主神(ことしろぬしのかみ)と三穂津姫命(みほつひめのみこと)をお祀りす…

森と水とロマンの鉄道|JR東日本 磐越西線

森と水とロマンの鉄道磐越西線は福島県の郡山から会津若松を経由して新潟県の新津まで伸びる全長…

地域の食文化を知る|八丁味噌について

日本各地で様々な種類の味噌が作られていますが、愛知、岐阜、三重では豆味噌が好まれています。…

各地の風習を楽しむ|雑節の半夏生に食べる蛸と鯖。その理由とは?

雑節の一つ「半夏生」半夏生(はんげしょう)をご存知でしょうか?これは夏至の11日後…

旅人の体験をデザインする。 – 柳田國男「旅人の爲に」を読んで 1/2

旅は要するに転換であり、人生の一本調子に綾を附ける試みであつた。豆の葉と太陽 -旅人の爲に - …

キハ181系特急の迫力|四国の旅を支え続けた”南風”と”しおかぜ”

キハ181系の迫力を振り返る今回はTabinovaのYouTubeチャンネルからオススメの…

欲しい切符を手に入れる方法|購入確率を上げるには?

この記事の要約販売開始日(乗車日の1ヶ月前の同日午前10時)に購入すると確率が高くなる前の…

旅を快適に

  1. 烏山線の旅

旅先のからだケア

旅に出たくなる雑学

PAGE TOP