先日、lenovo社が主催するグループインタビューへ参加してきました。
lenovo社は「Work for Humankind」をコンセプトにワーケーションを通じてボランティア活動をするプロジェクトを立ち上げ、チリの離島「ロビンソン・クルーソー島」で実証実験を行った。参加者はロビンソン・クルーソー島でテレワークで本業を行いながら週20時間のボランティア活動に従事する。
lenovo社の働き方に関する意識調査によると、世界10か国(日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、ブラジル、中国、インド)の10代〜50代以上の回答者の内、61%が「どこからでも仕事ができるのであれば、地域コミュニティへ恩返しをしたり、社会へポジティブな影響を残したりすることが非常に重要だ」と回答。
実証実験には世界各国から様々な職種の方が応募し選抜される中、日本からはフリーランスクリエイターの山口智氏が参加された。グループインタビューでは山口さんから現地での仕事とボランティア、余暇の過ごし方についての報告を聞く場となった。
山口さんが参加した回には世界各国から11名が集まり、ライター、獣医、海洋生物学者、デザイナーや登山YouTuber、都市設計家など様々な職種の方が集まり、それぞれの専門性を活かしながらボランティア活動に従事しながらそれぞれの時間を過ごしていたという。週の20時間をボランティア活動に従事することが条件とされていたが、山口さんもそれ以外の時間は日本のクライアントとのテレワークや余暇を楽しんだそうだ。
参加者の専門性が活かせる取り組みがポイント
山口さんへ、今回の参加者のような世界各国のボランティア活動や地域コミュニティに貢献した想いを持った人が「日本」に興味を持ち、同様の枠組みがあれば参加する可能性があるかを質問した。
山口さんからは「日本」という場は海外の人にとって大きな魅力の一つとなっている。ただあらかじめ決められたことを奉仕するようなボランティアではなく、参加する人が持つ専門性を活かした奉仕活動を柔軟に設計できるといいのでは。と指摘。
そのためには参加者の専門スキルへの理解と地域課題とをマッチングする役割が必要になる。今回のlenovo社の取り組みにはプロジェクトマネージャーが2名、現地に滞在しており、参加者の特性に合わせた活動内容を組み立ていったという。山口さんは自身のこれまでのキャリアを活かし、島の飲食店のマーケティング支援なども担当されたそうだ。
地域とつながりたい想いに応える体験を
今後も継続的にロビンソン・クルーソー島へ関わっていきたいとおっしゃる山口さん。ボランティア活動を通した地域との関わりは、リピート訪問をしたり、オンラインを通じて継続的な関わりを持ちたい人が多い傾向にある。最近では「副業」も大手企業の中で解禁する動きもみられることから、ワークとバケーションの両立に加え、ボランティアや副業が掛け合わさることで新しい働き方、関係人口の創出に繋がっていくのではないか。