かつて全国各地をブルートレインが走り抜けていた頃、大阪から北陸方面に向かう寝台列車がありました。
大阪と青森・函館を結んでいた『日本海』、新潟とを結んでいた『つるぎ』です。
JR発足前後の1980年代後半『日本海』は二往復、『つるぎ』は一往復走っていました。
ともにピンク色をしたEF81型機関車に24系寝台車の組み合わせでした。
普段目にする機会の少ないピンク色の機関車を見るだけで非日常感に溢れていました。
『日本海』の1本目は夕方の17時台に出発していた記憶があります。
平日学校が終わってから時折大阪駅まで写真を撮りに行っていましたが、そろそろ帰宅しないと、という頃に入線してきたのを覚えています。出発を待つ車両に乗って中を見て回ったこともありました。当時は車掌さんも大らかな感じで見学させてくれました。
ホームで出発を待つ姿は旅情に溢れ、いつかこれに乗ってみたいと常に思ってました。
当初は全て青森止まりでしたが、青函トンネル開通後は函館まで足を伸ばすようになりました。
トンネル開通後間も無く、函館行きの表示を目にすると、いよいよ日本列島が繋がったんだな、という実感が湧いてきたのを覚えています。
一方の『つるぎ』は寝台特急としては走行距離が短いこともあり、大阪出発も夜遅く22時台、到着が朝7時ごろだったと思います。
撮影に大阪駅にいっても夜遅くまで滞在できる時しか目にすることができなかったので、自分の中では希少価値の高い列車でした。
『つるぎ』は現在北陸新幹線の富山と金沢を結ぶ列車に使用されていますが、未だにブルートレインのイメージの方が個人的には強いです。
どちらの列車も冬場の朝、長旅を終えて大阪に到着する車両は時折雪を纏っていて、遥か遠い北国の雰囲気を大阪に居ながらにして身近に感じることのできる貴重な経験でした。