旅に出たくなる雑学

歴史を歩く#3 |昔は川だった!?東京都に多く存在する暗渠を巡る旅

全国各地には下水道の水路になったり、埋め立てられたりしてなくなった河川があります。特に東京都はその数が多く、暗渠(あんきょ)と呼ばれる、河川に蓋をして地下に埋め、今では緑道となっている廃河川が幾つかあります。

暗渠化した後の特徴とは?

暗渠化され、緑道などに変わった河川の特徴は、両脇の建物が背を向けていたり、道幅が一定ではなく、上流の方が狭かったり、中流、下流の方に行くと緑道と通常の道路が併走していたりと少し景色が広がるなどしています。

また、かつて生活用水として生活の中に溶け込んでいた小さい川には多くの橋が架けられていて、暗渠化され、緑道となった今でも横断する道には橋の名前が記されています。

暗渠した河川の特徴

  • 緑道となって利用されている
  • 両脇の建物が背を向けている
  • 道幅はほぼ当時の河川だった時と同じ
  • 橋の名前が残っている

東京に暗渠が多い背景とは? – 歴史を語り継ぐ場所

東京都の中小河川の暗渠化が進んだ背景は、戦前の震災や戦災からの復興の際、多くの瓦礫を処分するために埋め立てられたことや、戦後の高度成長期に急速に豊かになる都民の生活に下水処理が追いつかなくなっていたこと、汚染が進み川としての景観に問題が出てきたことなどがあるそうです。東京オリンピック開催に伴って、街の景観を整えたい思いもあったのかもしれませんね。

蛇崩川緑道 両脇の建物は背を向けているのも特徴
蛇崩川緑道 緑道を横断する道には橋の名前が

川だった時を想像しながら散策してみる

暗渠化され、緑道となった道を歩いてみると、河川だった頃の面影や特徴が見えてきます。普段何気なく利用している近所の緑道も、もしかしたらかつて生活の一部となって溶け込んでいた河川だったかもしれません。

こういった特徴を意識して、暗渠化された河川を巡り、歩いてみると、その土地の古くからの歴史を感じることができます。神社の場所と照らし合わせて見てみても、昔の生活、行動が見えてきて面白いと思います。

関連記事

  1. 沖縄のせんべろ
  2. 日本神話の世界|黄泉平坂 〜あの世への入り口!?〜
  3. 1日2往復。国鉄特急色の381系やくもが復活
  4. 北の玄関口「上野駅」を彩った寝台列車
  5. 歴史を歩く#2 |江戸時代からの風習が関係している!?名古屋のモ…
  6. 神話と歴史の趣を感じる路線|JR西日本 木次線
  7. キハ181系特急の迫力|四国の旅を支え続けた”南風&…
  8. 大阪と北陸・東北を結んでいた懐かしの485系特急『雷鳥』と『白鳥…

おすすめ記事

芭蕉の健脚を支えた、脚の疲れをとるツボ「足三里」

股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すゆるより、松島の月まづ心にかかりておくのほそ道 -…

懐かしさと新しさがバランスよく共存する尾道の魅力

YouTubeチャンネルで配信した「旅の楽しさ」でご紹介した尾道旅の詳細をこちらでご紹介します。…

新宿から約1時間で行ける。江戸庶民に親しまれた大山詣り

古くから信仰のあった大山神奈川県伊勢原市にある「大山」は、常に雲や霧を生じ、雨を降らすので…

伝承の足跡を辿る旅|三種の神器にまつわる徳島の地名や伝承

三種の神器とは草薙剣の他に八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と八咫鏡(やたのかがみ)の二つを合わせた…

旅人の体験をデザインする。 – 柳田國男「旅人の爲に」を読んで 1/2

旅は要するに転換であり、人生の一本調子に綾を附ける試みであつた。豆の葉と太陽 -旅人の爲に - …

重要なのは振り子の原理!?旅歩きに最適な靴とは?選び方のご紹介

旅先でしっかりと歩き回るには、目的に適した靴を選ぶことが重要です。歩きやすい運動靴であれば何でも良…

日本神話の世界|黄泉平坂 〜あの世への入り口!?〜

墓石のルーツ!? 黄泉平坂とは?島根県の東に黄泉比良坂(よもつひらさか)と呼ばれる場所が…

在来線に乗って、いつもとは違う移動を体験しよう!

在来線を使った移動在来線とは?在来線とは、簡単に言うと新幹線以外の鉄道路線全般の総…

日々の平穏を願う風習|キジ車

日本を見渡すとそれぞれに地域独特のユニークな風習が伝わっています。今回はその中からキジ車と呼ばれる…

沖縄のせんべろ

「せんべろ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?千円ほどで、お酒を楽しみながら美味しい肴も味わ…

旅を快適に

  1. 烏山線の旅

旅先のからだケア

旅に出たくなる雑学

広告

PAGE TOP