江戸時代は自由な移動が制限される中、「湯治」を目的とした移動であれば通行手形が出やすかったといわれ、多くの庶民が「湯治」を目的とした旅行にでかけていました。
湯治などで温泉のお湯の泉質に十分な効果を求める場合は「源泉掛け流し」と表記されている温泉に入るのがおすすめです。
なぜ温泉が湧くのか?という点を見ていくとその理由がわかります。
源泉掛け流しとは?
温泉の水も元々は地面に降り注いだ雨水です。降った雨が時間をかけて地下に染み込んでいき、最終的に数キロ下にある穴だらけの岩の層に溜まっていきます。
そしてこの層の下にはマグマ溜まりと呼ばれる高温の層があるので、たまった雨水が熱せられます。しかし地中深くでは酸素も無く、地面からものすごい圧力を受けているので水が沸騰できずドロドロの状態になります。
これがゆっくりと上昇してきて最終的に地表に吹き出してきたものが源泉掛け流しの温泉で使用されているお湯なのです。
有機物が溶け込んだ「泉質」が重要
このように時間をかけて地中を巡ることで水の中に鉱物や有機物が溶け込みます。これらがお湯の泉質を作り私たちの体に様々な効果をもたらしてくれる訳です。この様にして湧き出た温泉のみが「源泉掛け流し」と表記することを許されています。
湯治目的の旅なら源泉掛け流しの温泉に行こう
古くからの温泉地であれば自然と湧出したお湯である為、比較的湯量も豊富で源泉かけ流しとして使用してもお湯が不足しにくいですが、必ずしも湯量に恵まれた温泉ばかりでもありません。
そうしたところでは消毒しながらお湯を循環させていることも少なくありません。
こうなるとやはり泉質が落ちてくる面はやむを得ない面もありますので、どうしても源泉掛け流しに比べると効能は劣ります。
ですので治療目的で温泉を利用する場合は特にこの点を意識して滞在先を選ぶのが良いでしょう。