旅に出たくなる雑学

歴史を歩く|平泉の義経と芭蕉 〜 兵どもが夢の跡

全国各地を旅した松尾芭蕉。中でも有名なものが奥の細道の際に東北から北陸を廻った旅です。

中尊寺金色堂と松尾芭蕉

奥の細道の旅に出た際、芭蕉は45歳。当時としてはかなりの高齢でした。しかしながら忍者の里伊賀出身の芭蕉は自前の健脚で2400kmの行程を踏破しました。

奥の細道の旅は平安時代の僧侶、西行法師の足跡を追うのが主な目的だったのですが、道中には色々と歴史的な場所に立ち寄っています。その中の一つが平泉でした。

平泉はかつて奥州藤原氏の支配下にあり、源義経が最期を迎えた地として知られています。この地を訪れた芭蕉は

夏草や兵どもが夢の跡

松尾芭蕉

をはじめ過去を偲ぶ句を詠みました。

中尊寺金色堂の側には芭蕉の時代の実際の句碑が残されています。

源義経を祀る高館義経堂

世界遺産でもある中尊寺は多くの観光客で賑わっていますが、義経が祀られる高館義経堂は中尊寺から徒歩20分ほどの高台にひっそりと建っています。

かつて義経は藤原秀衡の保護下でここに住んでいたそうです。

しかしながら頼朝からの圧力に耐えられなくなった藤原秀衡の子、泰衡の急襲によりこの地で自害し、31歳の生涯を終えたと伝えられています。

この義経堂の建つ場所からは衣川はじめ当時から変わらない風景を眼下に見下ろすことができます。

この地からは義経や弁慶といった日本史上の英雄が眺めた光景を実際に目にすることができます。芭蕉もこの眺めを目にし、古の時に思いを馳せ句を詠んだことでしょう。

自分自身も義経堂に立ち寄ることで、日本史上の英雄と接点が持てたと大変感慨深いものがありました。

平泉に足を運ばれた際は是非訪れてみて下さい。

関連記事

  1. 各地の風習を楽しむ|雑節の半夏生に食べる蛸と鯖。その理由とは?
  2. 地域の食文化を知る|八丁味噌について
  3. 福男選びで有名な十日戎の開門神事とは?|西宮神社
  4. 現役で走る国鉄時代の車両 キハ185系
  5. 伝承の足跡を辿る旅|三種の神器にまつわる徳島の地名や伝承
  6. 懐かしさと新しさがバランスよく共存する尾道の魅力
  7. 歴史を歩く#1| 江戸を席巻した下り酒。灘五郷の日本酒
  8. 出雲大社の巨大神殿に想いを馳せる

おすすめ記事

先祖への感謝、故人へ思いを馳せる旅|日本三大霊場の一つ恐山

青森県下北半島にある恐山は日本三大霊場の一つとして知られています。宇曽利山湖の湖畔にある恐…

食事がもっと楽しくなる “基本味” の話|旅先のお酒と料理を楽しむ

旅先ではその土地の郷土料理や地酒に出会うのも楽しみの一つではないでしょうか。最近では「吟醸…

.local|「社会へポジティブな影響を残したい」ワーケーションを通した地域活動の可能性

ロビンソン・クルーソー島|写真提供 lenovo先日、lenovo社が主催するグループイン…

お得な切符情報|JR四国 バースデイきっぷ

JR各社はそれぞれにフリー切符と呼ばれるお得な切符を販売しています。今回はJR四国が販売してる「バ…

2021年3月13日ダイヤ改正の内容とは?|JR東日本編

2021年3月13日にJR東日本のダイヤ改正が実施されます。新型車両の投入が進み、移動は快…

芭蕉の健脚を支えた、脚の疲れをとるツボ「足三里」

股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すゆるより、松島の月まづ心にかかりておくのほそ道 -…

沖縄のせんべろ

「せんべろ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?千円ほどで、お酒を楽しみながら美味しい肴も味わ…

懐かしさと新しさがバランスよく共存する尾道の魅力

YouTubeチャンネルで配信した「旅の楽しさ」でご紹介した尾道旅の詳細をこちらでご紹介します。…

神話と歴史の趣を感じる路線|JR西日本 木次線

木次(きすき)線をご存知でしょうか?島根県の宍道駅と広島県の備後落合駅を結ぶ81.9kmを3時間ほ…

日々の平穏を願う風習|キジ車

日本を見渡すとそれぞれに地域独特のユニークな風習が伝わっています。今回はその中からキジ車と呼ばれる…

旅を快適に

  1. 烏山線の旅

旅先のからだケア

旅に出たくなる雑学

広告

PAGE TOP