旅に出たくなる雑学

神話を辿る旅|美保神社

島根県松江市の美保神社は事代主神(ことしろぬしのかみ)と三穂津姫命(みほつひめのみこと)をお祀りする歴史ある神社です。

事代主神は出雲大社の主祭神である大国主神の息子で、三穂津姫命は大国主神の后です。事代主神は国譲り神話に登場します。

また、事代主神と七福神のえびす様と同一視されているため、美保神社は日本全国のえびす社の総本山としても広く信仰されています。

美保神社

えびす様は漁業の神様としても知られていますが、それは古事記の国譲りの場面で、この美保の沖ノ御前で魚釣りをされていたことに由来しています。これが日本の文献上で最初に魚釣りをした記録とも言われています。

沖ノ御前とその手前にある地ノ御前は海上にあり通常は訪れることはできませんが、島根半島の東端に位置する地蔵崎から参拝することができます。

手前の岩場が地ノ御前、奥が沖ノ御前

美保神社の境内には、事代主神の魚釣りにちなんだデザインの絵馬が奉納されています。

創建は古く歴史ある神社

美保神社の歴史は古く927年に成立した延喜式にも記されており、境内からは四世紀頃の勾玉の破片も出土しています。

また美保神社は音楽の神様でもあります。

美保関は古くより海上交通の関所で、諸国の船が往来し、風待ちの港として栄えていたのですが、その際に「関の明神さんは鳴り物好き、凪(なぎ)と荒れとの知らせある」と、船人の間で伝えられていたからです。

海上安全などの祈願の為、各地から様々な楽器が奉納され、この内846点が国の重要有形民俗文化財に指定されており、今でも楽器や音楽の奉納が続いています。

松江市になりますがアクセスは鳥取県米子市から境港を経由して向かうのが便利です。

神話のルーツを巡る旅では是非訪れておきたい場所の一つです。

関連記事

  1. 国鉄時代を今に伝える#1|非電化区間を駆け抜けるタラコ色。キハ4…
  2. 神社散策を楽しもう!|夏越の祓
  3. 食事がもっと楽しくなる “基本味” の話…
  4. 出雲街道を行く
  5. 懐かしさと新しさがバランスよく共存する尾道の魅力
  6. 現役で走る国鉄時代の車両 キハ185系
  7. 東北地方に残る民間信仰「オシラサマ」をご存知ですか?
  8. 出雲大社の巨大神殿に想いを馳せる

おすすめ記事

旅人の体験をデザインする。 – 柳田國男「旅人の爲に」を読んで 2/2

旅を或一地に到着するだけの事業にしてしまはうとするのは馬鹿げた損である。豆の葉と太陽 -旅人の爲に…

出雲街道を行く

”出雲街道”とはかつて姫路から出雲を中国山地を越えて結んだ約250kmにわたる旧街道です。播磨国(…

国鉄時代を今に伝える#2 |ヘッドマークが懐かしい!伯備線 381系特急やくも

かつて日本全国を様々な愛称の特急列車が駆け抜けていました。クリーム色の車体に赤のラインで統…

烏山線の旅

久しぶりに乗車目的の旅に出ることができました。今回は栃木県内を走る烏山線に乗ってきました。宇都宮か…

大阪と北陸・東北を結んでいた懐かしの485系特急『雷鳥』と『白鳥』

485系特急の思い出かつて国鉄が民営化されJ Rが発足する前後の時期、当時は小学校高学年で…

日本神話の世界|黄泉平坂 〜あの世への入り口!?〜

墓石のルーツ!? 黄泉平坂とは?島根県の東に黄泉比良坂(よもつひらさか)と呼ばれる場所が…

1日2往復。国鉄特急色の381系やくもが復活

40年にわたり特急やくも号として伯備線を走り続けた国鉄型特急381系も引退が近づいてきました。20…

乗り物酔い対策に。乗り物酔いに効くツボ

薬を使わずにできる乗り物酔いの対策を二つお教えします。1.手首のツボを押す手首のし…

重要なのは振り子の原理!?旅歩きに最適な靴とは?選び方のご紹介

旅先でしっかりと歩き回るには、目的に適した靴を選ぶことが重要です。歩きやすい運動靴であれば何でも良…

各地の風習を楽しむ|雑節の半夏生に食べる蛸と鯖。その理由とは?

雑節の一つ「半夏生」半夏生(はんげしょう)をご存知でしょうか?これは夏至の11日後…

旅を快適に

  1. 烏山線の旅

旅先のからだケア

旅に出たくなる雑学

広告

PAGE TOP